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1.ワインの旅

この夏、相棒の安江とヨーロッパに渡り、生産者のもとで畑作業、収穫、そして醸造の手伝いをしてきました!南仏、ローヌ、ブルゴーニュ、ジュラ、そしてドイツ・モーゼルでの濃厚な2ヶ月半。


この旅で印象的だった点は3つありました。





・まず農業はメチャクチャ大変だということ。こんなにも体力が必要なのかと思い知らされました。草刈り、支柱の入れ替え、土の耕しなど、ただでさえ一回の作業がなかなかの労働なのに、それを一日何百回も繰り返し、畑中を何キロも歩きまわる。私たちは体力に自信を持っていたつもりでしたが、日々これらをやり遂げる生産者たちの持久力と精神力は、圧倒的だと実感しました。



ワイン造りの楽しさ。今回セラーで色々な作業に携わることができました。生産者たちが一年をかけて作り上げた貴重な果汁を扱うのは、すごい緊張と同時に、ワクワクが入り混じった不思議な気持ちでした。それは植物、気候、病気、動物たちとの綱引きを一年間休まずしてきた成果とも言え、搾りたての果汁はきらきらと輝いていました。



人のあたかかさ。自然を相手にしている生産者たちは、常にストレスと不安でいっぱい。特に近年は異常気象が続いており、安らかな年なんてありません。そしてそれぞれに事情があり、時には弱気になったり、時には調子にのったり、とにかく必死に向き合っています。そんなみんなが助け合いワインが生まれる。ワインは自然から生まれるものだけど、やっぱり人あってのワインだと思いました。


前職でワインのお仕事を6年間してましたが、今回初めて、少しだけ「ワイン造り」を肌で感じられたような気がしました。それは自分がワインの世界の入り口にも立っていないことを思い知らされた感じ。



そしてやっぱりワインを造っている人たちすごいなと、何らかの形で応援したいなと、ふたりで強く思いました。




2・ドイツ・モーゼルの生産者、ヤコブ・テンシュテット


今回はみなさんに紹介したい新しい生産者がいます!

彼の名は、Jakob Tennstedt/ヤコブ・テンシュテット と言い、ドイツ南西・モーゼル地方で琥珀のような素晴らしいリースリングワインを2017年から造り始めた生産者です。

初めて彼に会った時、落ち着いた性格に低い声、そしてまるで心の中を読まれてしまうような青い瞳が印象的でした。ベルリン出身で、イタリアンの料理人でした。

そんな彼は今カウテンバッハ谷で、四方を森に囲まれた1.50Ha弱の超急斜面のぶどう園を一人で栽培しています。


畑からは見渡す限りの山々、斜面の麓からはモーゼル川の支流、カウテンバッハ川が涼しげな音色を響かせています。静かで美しく、同時に過酷な場所であることに気づかされます。

靴裏で崩れていくのは、さまざまな香草と交じり合ったブルーシストやグレーシストの破片に白い石英の塊。山慣れしているはずの私たちでさえ、まともに歩けない斜度70%を超える絶壁もありました。

収穫の時、ぶとうの房を落としてしまったことがあり、それは谷底まで止まらずに転げ落ちてしまうほど。


そんな急斜面の険しい岩盤に、必死に根付こうとしているリースリングの樹々がいます。

樹齢は若くて60年。古いものはなんと120年です。アメリカン・ルーツに接ぎ木されていない、自根のままの樹も多く植えられています。

粘土性がまったくなく崩れやすい、水捌け抜群のシスト土壌は、フィロキセラさえ苦手なのかもしれません。

そしてそれは人間も同様です。こんな急斜面によく樹を植えようとしたな、と思うほどです。当然機械は全く入れないほどの斜度で、近所の大きな蔵元はヘリコプターで農薬を撒いているぐらいです。

昔からワインで栄えてたモーゼル地方ですが、今では管理が大変すぎるということで、急斜面の畑がどんどん放置されてしまっているそうです。

そんな険しいぶどう園を除草剤、殺虫剤、そして化学肥料を一切使わずに維持するのはどれだけの体力と気力が必要なのでしょうか。

ヤコブは、この足場の悪い斜面をいとも簡単に駆け抜けながら、手作業で一本一本の樹を大事に手入れしているのです。


「畑にいる時が一番好きなんだ。ここは生き生きとしていて、風景もテロワールも素晴らしいよ」

美しく過酷な環境の中でヤコブの愛情をたっぷりと注がれたリースリングの樹々は、まるで宝石のような小粒で凝縮したぶどうを実らせます。

10月前半、ひと房ずつ選果を行いながら手摘み収穫。アルコール発酵が始まるまでの数十時間、軽く破砕した全房を低温度でスキンコンタクトします。そして圧搾後モーゼル独特の葉巻型」大樽に移し、天然酵母と天然乳酸菌でゆっくりと発酵させます。

ぶどうから何も取り除かないし、何も加えたくないんだ

添加物は一切不使用、少なくとも2年間樽熟成してから生まれるのは、なんとも味わい深くピュアなワイン。まるで液状の琥珀のようなリースリングです。









Perlmutt /ペアールムット 2018

 

・ドイツ語で「真珠の母」畑にいる蝶の名前です。


・100%リースリング


・一般小売価格11,000円(税込)


・12月リリース!








次回のおてがみは「2022年ヴィンテージについて」です。12月配信予定です、お楽しみに。


合同会社Taka-La Project

水上貴翔より




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